030602
 
◎人間性を回復するために行動を、そのために学ぶことが…………
 
有事法制や労働法制、教育基本法を変えようとする動きが活発になっている。これらは、戦争や働くということ、人間として成長することを破壊し国家(政府)に服従させる動きであると思います。こうした国家(政府)の動きに対して何をしなければならないか。人間らしく生きることを奪い返す行動がもとめられているのではないでしょうか。労働学校はその人間性を回復するために必要な基本と基礎を学び取るところです。不合理に対する怒りこそ人間としての行動の根源にあるものでしょう。
 
なにものかになるためには、自分自身になるためには、そしてつねに一個の人間であるためには、語ることと行うこととを一致させなければならない。いつも取るべき態度をはっきり決め、敢然とそれを守り、押し通さなければならない。(ルソー著「エミール」28p)
 
死をふせぐことよりも、生きさせることが必要なのだ。生きること、それは呼吸をすることではない。活動することだ。私たちの器官、感覚、能力を、私たちの存在感をあたえる体のあらゆる部分をもちいることだ。もっとも長生きした人は、もっとも多くの歳月を生きた人ではなく、もっともよく人生を体験した人だ。百歳で葬られる人が、生まれてすぐ死んだのと同じようなこともある。そんな人は、若いうちに墓場に行ったほうがましだったのだ。せめてその時まで生きることができたならばだ。(ルソー著「エミール」33p)
 
植物は栽培によってつくられ、人間は教育によってつくられる。かりに人間が大きく力づよく生まれたとしても、その体と力をもちいることを学ぶまでは、それは人間にとってなんの役にもたつまい。(ルソー著「エミール」24p)
 
自然の秩序のもとでは、人間はみな平等であって、その共通の天職は人間であることだ。(ルソー著「エミール」31p)
 
◎古典はいつまでも私たちの新鮮な問題提起をしている。