030606
 
◎有事法制が成立した。戦争ができる国へ……そうさせるわけにはいかない。これを発動させるわけにはいかない。そのもっとも有効な手だては力関係≠かえることだ。ねばり強く………⇒戦争の本質について考えて見よう。
 
戦争にとってこれまた実際に必要な観点が明白かつ正確に確立されねばならい。それは――戦争は政治的手段とは異なる手段をもって継続される政治にほかならないということである。常にこの観点にたつならば、戦争に関する考察はこれまでよりも遙かに整然とした統一を得るし、また一切は刃を迎えて解くがごとくであろう。(クラウゼヴィッツ著「戦争論」14p)
 
戦勝とは、ただ戦場の攻略だけに限られるものではなくて、敵の物理的および精神的戦闘力を破壊するにある。(クラウゼヴィッツ著「戦争論」19p)
 
してみると戦争は一種の強力行為であり、その旨とするところは相手に我が方の意思を強要することにある。(クラウゼヴィッツ著「戦争論」29p)
 
敵を完全に打倒しようとするならば、我が方の力の使用を敵の抵抗力と見合わせねばならない。ところで、敵の抵抗力は、互いに分離され得ない二個の要因によって示される。その要因というのは、即ち現存する資材の量と意志力の強さとである。―現存する資材の量は比較的に容易に決定されるだろう、かかる量(たとえ全体でないまでも)数字で示され得るからである。しかし意志力の強さの方は遙かに決定しにくい、これは戦争の動機の強弱によって評価するよりほかはあるまい。(クラウゼヴィッツ著「戦争論」34p)
 
 
個人の「心」も戦争に総動員しようというのが、教育基本法の改悪です。戦争というのは、強力な軍事力があるだけではだめですし、有事法制ができただけでも、十分ではありません。戦争を支持し、戦争に協力し、「勝利」を願う「国民の精神」というものがなければ、戦争はできないのです。(高橋哲哉・東京大学教授 しんぶん「赤旗」日曜版 030511)
 
まさにパッケージ≠ナすすめられている。だからこそ、どのようなことがあってもゆらぐことがない確信をもった力の前進が、この瞬間に必要なのだろう。社会科学を学ぶ意味は大きい。