030609
 
◎何かしたいと意識や意欲を持っただけでは、その行動に成功するわけではありません。成功したときには必ずきちんとした根拠があります。「愛される理由」の一文には観察力と自信の確かさが……。
 
父は「流されている」と言ったが、事実、私は大きな流れに身をまかせていた。いつから覚えたのか、私は子どもの頃からそうしていた。自分の中に大きな流れには決して逆らってはいけない事を、今では知っていた。まわりの意見に付和雷同して、無理に岸につかまったりすると、流れは思いかけずとんでもない方向に向かったりする。そうして何度か失敗した結果、私は自分の内なる声を一番大事にして何かに迷うとそれに耳を澄ました。(二谷友里恵著「愛される理由」78p)
 
人間は、何かしたいと意識や意欲を持っただけでは、その行動に成功するわけではありません。たとえば、人間は昔から鳥のように空を飛びたいと思ってきました。しかし、意欲を持っただけではとべません。医師の力で気力で屋根の上から飛んだりすると大怪我のもとです。飛ぶには、空気の性質など外界の自然法則をよく知り、飛行機やグライダーなどの道具を工夫してこそ成功することができます。空飛ぶ自由は、自然の法則性をよく知ることによって実現します。外界の客観的実在(物質)を本源的と考える唯物論の主張は、このようなことです。(鰺坂真著「科学的社会主義の世界観」42p)
 
実験をすると、ミスをしたサルのほうが記憶の定着率がいいのです。脳は消去法のように、「ミスをした方向に進まないことで道を選ぶ」という性質があります。間違えることは、脳にとっては飛躍のチャンスなのです。失敗や失恋が人をかしこくさせるのは、このせいです。(池谷・糸井著「海馬」215p)
 
だれも失敗したいと思って行動しているわけではありません。毎日の中には成功への条件づくりの繰り返しこそ多く失敗の繰り返しです。しかし、そこには見方を変えれば、「飛躍のチャンスなのです」なのです。起点はリアルに志は大きく