学習通信030823
◎新しい自由な社会状態のもとで成長してきた一世代が、ついには国家のがらくたをすっかり投げすててしまえるときがくる
 
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日本共産党綱領改定案の提案報告(不破議長)から
第5章 社会主義・共産主義の社会をめざして
 
 社会主義・共産主義の社会がさらに高度な発展をとげ、搾取や抑圧を知らない世代が多数を占めるようになったとき、原則としていっさいの強制のない、国家権力そのものが不必要になる社会、人間による人間の搾取もなく、抑圧も戦争もない、真に平等で自由な人間関係からなる共同社会への本格的な展望が開かれる。
 
 人類は、こうして、本当の意味で人間的な生存と生活の諸条件をかちとり、人類史の新しい発展段階に足を踏み出すことになる。
(しんぶん赤旗2003628)
 
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そこで、世襲君主制にたいする信仰を捨てて、民主的共和制を信奉するようになりでもすれば、もうそれだけでまったくたいした大胆な一歩をすすめたように思いこむ。しかし、実際には、国家は、一階級が他の一階級を抑圧するための機構にはかならないのであって、しかもこの点では、民主的共和制も、君主制となんら選ぶところがないのである。
 
いちばんいい場合でも、国家は、階級支配をめざす闘争で勝利したプロレタリアートがひきつぐ一つの害悪であって、プロレタリアートは、コミューンがやったのとまったく同じように、それの最悪の側面を、すぐさま、できるだけ切り取るほかはないであろう。
 
そして、いつかは、新しい自由な社会状態のもとで成長してきた一世代が、ついには国家のがらくたをすっかり投げすててしまえるときがくるであろう。
(マルクス著「フランスの内乱」(1891年版)への序文 ME全集23巻 p205)
 
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 ところで、きたるべき資本主義的生産の一掃のあとの両性関係の秩序についてわれわれが今日推測できる事柄は、主として消極的な性質のものであって、おおむね、なくなる事柄に限られる。
 
 だが、なにがつけ加わるだろうか?
 それは、新しい一世代が成長してきたときに決定されるであろう。
 
すなわち、その生活中に金銭ないしその他の社会的な権力手段で女子の肌身提供を買いとる状況に一度もであったことのない男子たちと、真の愛以外のなんらかの顧慮から男子に身をまかせたり、あるいは経済的結果をおそれて恋人に身をまかせるのをこばんだりする状況に一度も出あったことのない女子たちとの一世代が、それである。
 
こうした人々が実際に現われる場合には、彼らは、彼らがなすべきだと今日の人間が思っていることなどは、まったく意に介さないであろう。彼らは、彼ら自身の行動と、それに適応した各人の行動にかんする世論とを、みずからつくるであろう。──それでおしまいである。
(エンゲルス著「家族・私有財産・国家の起源」新日本出版社 p112-113)
 
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このような諸変革を考察するにあたっては、経済的な生産諸条件に起きた自然科学的な正確さで確認できる物質的な変革と、人間がこの衝突を意識するようになりこれとたたかって決着をつける場となる、法律、政治、宗教、芸術、または哲学の諸形態、簡単に言えばイデオロギー諸形態とを、つねに区別しなければならない。
 
ある個人がなんであるかを判断する場合に、その個人が自分をうぬぼれ描く評価には頼れないのと同様に、このような変革の時期を、その時期の意識をもとに判断することはできないのであって、むしろこの意識を、物質的生活の諸矛盾から、すなわち社会的生産諸力と生産諸関係とのあいだに存在する衝突から、説明しなければならない。
 
一つの社会構成体は、すべての生産諸力がそのなかではもう発展の余地がないほどに発展しきらないうちは、けっして没落することはなく、また、新しいさらに高度の生産諸関係は、その物質的な存在諸条件が古い社会の胎内で孵化(ふか)しきらないうちは、けっして古いものに取って代わることはない。
 
それだから、人間はつねに、みずからが解決できる課題だけをみずからに提起する。というのは、やや立ち入ってみるとつねにわかることだが、課題そのものが生まれるのは、その解決の物質的諸条件がすでに存在しているか、または少なくともそれらが生じつつあることが把握される場合だけだからである。
(マルクス著「「経済学批判」への序言・序説」新日本出版社 p15)
 
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◎今日は土曜日です。社会が変わる時……どういう状況が見えてくるでしょうか。
 
日本共産党の綱領改定案にあった「搾取や抑圧を知らない世代」、起源にある「女子の肌身提供を買いとる状況……一度も出あったことのない女子」、序文にある「人間はつねに、みずからが解決できる課題だけをみずからに提起する。」こういう新しい世代の登場こそ日本の社会主義が実現するときなのです。
 
◎私もあなた達の社会観、恋愛観……大いに学び身につけることが、社会変革につながっていくのではないでしょうか。
 
◎こんどの改訂案、具体的にイメージできるでしょうか。
 
「搾取や抑圧を知らない世代が多数を占めるようになったとき、原則としていっさいの強制のない」
 
「その生活中に金銭ないしその他の社会的な権力手段で女子の肌身提供を買いとる状況に一度もであったことのない男子たちと、真の愛以外のなんらかの顧慮から男子に身をまかせたり、あるいは経済的結果をおそれて恋人に身をまかせるのをこばんだりする状況に一度も出あったことのない女子たちとの一世代が、それである。」
 
「人間はつねに、みずからが解決できる課題だけをみずからに提起する。というのは、やや立ち入ってみるとつねにわかることだが、課題そのものが生まれるのは、その解決の物質的諸条件がすでに存在しているか、または少なくともそれらが生じつつあることが把握される場合だけだからである。」