学習通信051215
◎家で子供が泣くことも……

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 委員会中央局の報告は次のようにのべている。工場主はまれには五歳から、しばしば六歳から、もっとひんぱんには七歳から、たいていは八歳ないし九歳から、子どもを雇いはじめる。労働時間はしばしば毎日一四ないし一六時間(食事のための休憩時間を除く)つづく。工場主は、監督が子どもをなぐったり、虐待したりするのをゆるしているばかりか、しばしば自分でも手をくだしている。次のような例さえ、のべられている。

スコットランドのある工場主は、逃亡した一六歳の労働者を馬で追いかけ、馬が速歩でかけるのと同じ速さで自分の前を走らせて無理矢理つれもどし、しかもそのあいだずっと、長い鞭でうちつづけていたのである!(ステュアートの証言、二五ページ)。

労働者の抵抗がもっとつよい大都市では、たしかにこういうことは少なかった。

──しかし、こんなに労働時間が長くても、貪欲な資本家は満足しなかった。建物や機械に投下された資本は、あらゆる手段を用い利益があがるようにし、できるだけはげしく働かせることが重要であった。そこで工場主は夜間労働という恥ずべき制度をとりいれた。

いくつかのところでは、つねに二組の労働者が用意され、それぞれが工場全体に配置できるほどの人数からなっていて、一つの組が昼間一二時間、もう一つの組が夜にて一時間、働いた。このように夜間の休息を継続して奪うことは、昼間の睡眠ではけっしてその代わりにはならないことであって、とくに幼児や、すこし年上の子どもや、大人にとってさえ、その健康状態にどんな結果をもたらすに違いないかは、容易に想像できることである。

神経系統全体が不安定となり、それにともなって全身が全体的に衰弱し無気力化するのが、その必然的な結果であった。さらに飲酒癖や乱れた性関係がすすめられ、刺激される。
(エンゲルス著「イギリスにおける労働者階級の状態 上」新日本出版社 p225-226)

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徹夜労働をふくむ交代制勤務を厳重に制限する

 次に、徹夜労働の問題です。私は、労働組合の仕事で鉄鋼産業を長くみていたものですから、交代制勤務というと、二十四時間の三交代制度を見慣れていたのですが、今度、各国の状況を調べてみて、徹夜勤務をふくむ交代制労働が、ヨーロッパなどでは非常にきびしく制限されてきていることに、あらためて気づきました。

鉄鋼のような、装置の性質から二十四時間体制が技術的にどうしても不可避だという分野を除いては、徹夜労働を含む三交代制はほとんど存在しなかったというのが、これまでの現実だったようです。最近、自動車産業の一部に、徹夜労働をふくむ交代制を導入する動きがありますが、調べてみると、そういう体制を導入する理由に、「日本の自動車企業との競争」のため、ということがあげられているのが、特徴的です。

 実際に、徹夜労働をふくむ交代制がおこなわれているところでは、夜勤明けの日は、家で子供が泣くこともできないなど、家族の生活まで破壊されるという状況が、一般的になっています。こうした点からいっても、徹夜をふくむ交代制度というのは厳重な規制のもとにおくのが当然だという立場で、この規制を提起しました。
(「人間らしい労働と生活を ──労働基準法の抜本的改正を提案」日本共産党ブックレット p32-33)

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◎「貪欲な資本家は……建物や機械に投下された資本は、あらゆる手段を用い利益があがるようにし、できるだけはげしく働かせることが重要であった」と。