学習通信060105
◎ある晴れた朝……

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小泉首相 年頭会見 要旨
 小泉純一郎首相が四日に行った年頭記者会見(要旨)は次の通り。

 ●「構造改革」路線
 四年間振り返ると成長なくして改革なし″ではなかった。改革を進めてこそ成長をもたらす。
 「改革なくして成長なし」論争に決着をみた。今後も改革を続行し、この景気回復の軌道をしっかりとしたものにしたい。

 ●少子化問題
 今後少子化が進む。今年は戌(いぬ)年だが、『犬は子どもをたくさん産む。お産も軽いそうだ。犬にあやかるわけではないが、多くの方々が子育ては楽しいと、子どもを持つことは人生を豊かにする、そんな環境整備にまい進したい。

 ●靖国・外交問題
 日米関係が他の国との関係よりも特別重い意味を持っている。日本はアメリカと安保条約を結び、日本への攻撃、侵略を自分の国への侵略、攻撃とみなすといっている国は世界のなかでアメリカしかない。日米関係がいかに重要か。その上で中国ともアジア諸国、世界各国とも協力関係を進めようということだ。

 靖国参拝の問題は外交問題にしない方がいい。一国の首相が一政治家、一国民として戦没者に感謝と敬意を捧げる、哀悼の念をもって靖国神社に参拝する、二度と戦争を起こしてはいけないということが、日本人からおかしいとか、いけないとかいう批判は、私はいまだに理解できない。まして外国の政府が一政治家の心の問題に対して靖国参拝はけしからんということが理解できない。

 精神の自由、心の問題について政治が関与することを嫌う言論人、知識人が私の靖国神社参拝を批判することも理解できない。まして外国政府が心の問題にまで介入して外交問題にしようとする姿勢も理解できない。

 中韓との相互依存関係は深まっている。中国とも韓国とも交渉の扉を閉じたことは一度もない。意見の違い、対立があったらそれを乗り越えていく努力が必要だ。靖国参拝をしたら交渉に応じないということは、もう外交問題にならないということだ。一つの問題があるから中国、韓国側が会談や交渉の道を閉ざすことはあってはならない。

 ●「ポスト小泉」
 国民の人気や支持よりも、国会議員のなかでのバランスに配慮して指導者を選ぶべきだという声もあったが、両方大事な時代になった。どういう形でどういう候補者が手を挙げるか、いまの段階でいうのは早すぎる。

 ●政党との関係
 いままでも自民、公明間で意見の違いはあったが、全体をみて協力関係が大事だということで連立関係を組んできた。国会内での対応でも選挙でも協力しあってきた。この関係を大事にしたい。

 民主党との関係だが、安全保障、憲法改正問題、改革を促進していこうと簡素で効率的な政府をめざすことでも自民党と似ているところもある。民主党が自民党と協力できる分野はある。その際には協力していただければありがたい。協力してくれる勢力があれば喜んで協力したい。
(しんぶん赤旗 2006.1.5)

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──そしてこの戦争は、犯罪表がしめしているように、年々ますますはげしくなり、激情的になって、和解しがたくなっている。敵対関係はしだいにたがいに争いあう二大陣営に、すなわち、一方はブルジョアジー、他方はプロレタリアートに、分裂する。

すべての人とすべての人とのこの戦争、ブルジョアジーにたいするプロレタリアートのこの戦争は、なにもおどろくべきことではない。なぜなら、それは、すでに自由競争のなかにふくまれていた原理がおしすすめられた結果にすぎないのだから。

むしろおどろくべきことは、ブルジョアジーが、彼らにむかって毎日毎日鳴りひびく雷雲がおしよせているのに、平静に、落ちついていられる、ということである。

彼らは毎日これらの出来事を新聞で読んでいながら、社会状態について憤激しないまでも、その結果にたいする恐怖や、犯罪という形で個々にあらわれているものが全般的に爆発することへの恐怖を、感じていないのだ。

しかしそれこそブルジョアジーなのであって、彼らの立場からは事実も見えず、ましてそこから生ずる結果は見えないのである。

ただ驚嘆すべきことは、階級的偏見や、たたきこまれた先入観とが、人間の一つの階級全体を、これほどひどく、狂気の沙汰といいたいほど、盲目にできるのか、ということである。

しかし、ブルジョアジーが見る目を持つか、持たないかにかかわりなく、国民の発展はその道をすすんでいくのであって、ある晴れた朝、有産階級は彼らの知恵では夢にも思わなかったことがおこって、びっくりすることであろう。
(エンゲルス著「イギリスにおける労働者階級の状態 上」新日本出版社 p201)

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◎「ただ驚嘆すべきことは、階級的偏見や、たたきこまれた先入観とが、人間の一つの階級全体を、これほどひどく、狂気の沙汰といいたいほど、盲目にできるのか、ということである」と。