学習通信060113
◎時代をいま、にないとろうとする者が……

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知的めざめで青春に輝きを

「青春、友情、希望」

 さて、約束の時間がだんだんなくなっておりますので急ぎます。最後にきょうの題名であります。「なんによって青春は輝くか」ということであります。

 青春のなかの輝きということになると、友情、恋愛、──これは当然入ります。私の卒業した松山高等学校、この校庭には、「青春、友情、希望──ここに存在せし一切のものの不滅を信ず」という碑が立っています。これは、中村草田男という松山高校を出た俳人のことばであります。

 たしかに友情、これは青春の輝きです。また恋愛、もう恋愛については、皆さんのなかでいま進行中の方も、また夢みておられる方も、またそれを通過されてもうゴールインにせまっている方もいられると思います。これもたしかに輝きであるけれども、どういう問題があるかというと、結婚するまでは結婚しても一緒に活動しようといっていたのに、結婚したらどっちかが、「君はおれがやるからやらんでもいい」とか、「もう少し家にいてくれ」とか、いうような話も出るかのようであります。友情といっても、高校時代は仲良しであっても、相手がだんだん自民党の運動員になっていったということになると、どうしても友情は保障されません。

 そういうなかで、なにが本当に青春の輝きをもたらすかということになります。さっき申しましたような「世の中はどうなっていくのか」「社会にたいする見通し」、そういうことについての知恵のめざめ、知的めざめ、こういうものが青春の輝きの保障である、と私は考えるものであります。なぜかといいますと、恋愛にしても友情にしても、この知的めざめの土台がなかったならば、安定的発展が保障されない。したがって、この知的めざめ、これに正面からとりくむという点が、青年のたたかいとしてたいへん大事になっているのであります。

 民青同盟もたたかい、かつ学ぶ組織であるといっております。このたたかい、学ぶという点でありますが、やはり、青年の時代、青春の時代は学ぶという点が特別大事であります。

 エンゲルスが「イマーマンの『回想録』」という論文、これは彼が二十歳のときに書いたものでありますが、そのなかで、「われわれの未来は、以前にまして、成長していく世代にかかっている。というのはますます高まってゆく諸対立について、決定を下さなければならないのはこの世代であろうからである」「われわれは自由のためにたたかおうではないか。われわれが若くて燃えあがる力に満ちているこの間に」ということを、彼は二十歳の春に書いたわけであります。

 レーニンが三十二歳のときにこういうことを書いています。これは、「中等学校生徒諸君にあたえる」という論文のなかですが、中等学校の生徒というのは、ロシアで調べてみますと、十七歳から十八歳どまりである。だから、十五、十六、十七、十八が中等学校の生徒ということになるそうであります。

これをくだいて言えば、学習して自分自身を確信のある、そして非常にしっかりした、動揺しない科学的社会主義者に育てあげることを自分たちの組織の主要な目的にするようにしよう。これはきわめて重要で必要な準備活動であって、直接の実践運動、実際の活動とごっちゃにしないで、はっきりこの任務を厳密に区別して重視しなければならない。学んで、どんな場合でも動揺しない、しっかりした科学的社会主義者になるということ、その準備が大事なんだといっております。

 いろんな事件が起こります。ポーランド問題が起こる、自民党が選挙で過半数をとる、あるいは社会党が裏切る、こういう場合に一喜一憂しない。そして、そういう動きがあるけれども、それをつらぬいて最後には日本の歴史はどこにむかうのか、このことをはっきり知ることができるようになること、これが重要な知的めざめなのであります。

しかし皆さん、ちょっとめざめても、すぐ眠るというんじゃだめなんです。やっぱりめざめたら、いろんなことがあってもますます目が輝いて、そして知的水準が上がっていくというんでなくちゃだめです。
(「宮本顕治青春論 ──なにによって青春は輝くか1982年  「ヤングジャンプ82」での講演」新日本新書 p18-20)

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中等学校生徒諸君にあたえる

 われわれは、生徒諸君の精力的な創意を心から歓迎するとともに、われわれとしては、つぎのような同志的忠告を彼らにあたえよう。

学習し、自分自身を確信ある、堅忍不抜で堅固な社会民主主義者にそだてあげることを、自分たちの組織の主要な目的とするように努力せよ。このきわめて重要で必要な準備活動を、直接の実践活動からできるだけ厳密に区別せよ。

作戦軍の隊列にくわわるさいには、(またくわわる以前にも)、諸君がひとりぼっちで仕事にとりかからないでもいいように、諸君がもはや振りだしから仕事をはじめるのでなくて、これまでになされた仕事を継続し、すぐさま隊列にくわわり、運動をおしすすめ、それをより高い段階に引きあげることができるように、地方的または全国的な社会民主主義諸組織とのもっとも緊密な(そしてもっとも秘密の)連絡をむすぶようにつとめよ。
『イスクラ』第二九号、一九〇二年十二月一日
(レーニン全集E 大月書店 p286)

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学習をたたえる

学ぶのだ、誰でも知るべきことを。
時代をいま、にないとろうとする者が
学ばずにいていいものか。
学ぶのだ、ABCを。それだけでは足りないが
まず学ぶのだ! いまさら、などと言わないで
はじめよう! きみはすべてを知らねばならぬ、
きみは前衛とならねばならぬ。

学べ、ドヤにいるひとよ
学べ、監獄にいるひとよ
学べ、台所の女よ
学べ、六十の老婆よ

きみは前衛とならねばならぬ。
学校へ行け、家をもたぬ者よ
知識を手にいれろ、こごえる者よ
飢える者よ、本を手にとれ、本も武器のひとつ、
きみは前衛とならねばならぬ。

同志よ、しりごみせずに質問するのだ、
ひとのことばを受け売りせずに
じぶんで考え、確認することだ、
きみがじぶんで確認せぬものは
わかったもののうちにはいらぬ。
勘定書を検算しろ、
支払いをせまられるのはきみなのだ、
内訳のひとつひとつに指さきをあて
きいてみろ、この金額はどうしてだ、と。
きみは前衛とならねばならぬ。
(「ブレヒト詩集」飯塚書店 p72-73)

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◎「恋愛にしても友情にしても、この知的めざめの土台がなかったならば、安定的発展が保障されない……この知的めざめ、これに正面からとりくむという点が、青年のたたかいとしてたいへん大事」だと。