学習通信070221
◎労働者は単なる働く機械……
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たとえ私がこれほどたびたび、一つひとつの場合について指摘しなかったとしても、イギリスの労働者がこういう状態で幸せだと感じているはずはないということ、また彼らの状態は、一人の人間としても、あるいは人びとの一つの階級全体としても、とても人間らしく考え、感じ、生きることができるような状態ではないということは、誰でもみとめてくれるであろう。
したがって労働者は、人間を動物のようにしてしまうこういう状態から脱けだし、もっとましな、人間的な地位をつくりだそうと努力するに違いない。
そしてそのためには、まさに労働者を搾取することそのもののうちにあるブルジョアジーの利益とたたかう以外にない。
しかしブルジョアジーは、その財産を使って、また彼らの思いどおりになる国家権力を使って全力をあげて自分の利益を守る。
労働者が現在の状態から脱けだそうとするやいなや、ブルジョアは労働者の公然たる敵となる。
しかし労働者は、それだけでなく、ブルジョアジーが彼らをまるで物のようにあつかい、彼らの所有物のようにあつかっていることに、いつも気づいている。
そしてそのためだけでも労働者はブルジョアジーの敵としてあらわれる。
私は先に、現在のような状態のもとでは、労働者はブルジョアジーにたいする憎悪と抵抗なしにはみずからの人間性を救うことはできないということを、一〇〇もの事例でしめしたし、さらに一〇〇の事例をあげることもできよう。
そして彼らが有産者の専制にたいしてはげしい情熱をもって抗議することができるのは、彼らの教育、あるいはむしろ無教育と、イギリスの労働者階級のなかへ流れこんだアイルランド人のゆたかな熱い血のおかげである。──イギリスの労働者は、もはやイギリス人ではない。
彼のとなりにいる有産者のような計算高い守銭奴ではない。彼は十分に発達した感情をもち、彼に生まれつきそなわっていた北欧的な冷たさは、彼の情熱が自由に育ち、彼が思いのままに行動するようになったことによって、失われていった。
イギリスのブルジョアの利己的な素質をいちじるしく発展させ、利己心を彼の支配的な情熱とし、感情の力を金銭欲という一点にすべて集中させた知的教養は、労働者にはない。そしてその代わりに、労働者の情熱は外国人のように強烈でつよい。イギリス人の国民性は労働者のあいだでは消えうせている。
(エンゲルス著「イギリスにおける労働者階級の状態 下」新日本出版社 p42-43)
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柳沢厚労相の「労働時間発言」
労働者は働く機械≠ゥ
小池政策委員長が批判
各党代表が出演した十八日のフジテレビ系番組「報道2001」で、柳沢伯夫厚生労働相が工場労働者について「労働時間だけが売り物」と述べた発言が問題になりました。日本共産党の小池晃政策委員長は「女性を『産む機械』といって大問題になったのに、今度は、労働者は『働く機械』というのか」と厳しく批判しました。
柳沢厚労相の新たな問題発言に対して自民党の大村秀章内開府副大臣も「気をつけていただきたい」と苦言を呈しました。
問題になった柳沢厚労相の発言は、十五日の参院厚生労働委員会で小池氏の質問の最後に答えたもの。柳沢厚労相は労働時間規制をなくすホワイトカラーエグゼンプション制度の必要を強弁するなかで、「工場労働はベルトコンベヤーの仕事、労働時間だけが売り物ですというようなところ」として、ホワイトカラーエグゼンプションはそれ以外の現実に着目したものだと答弁。小池氏は「全く実態を踏まえていない発言だ」と批判していました。
(「赤旗」20070219)
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厚労相の労働者侮辱発言
人間観が問われる
市田書記局長は、柳沢伯夫厚生労働相が工場労働者を「労働時間だけが売り物」とのべた問題について、「国語力の問題ではない。柳沢厚労相の人間観の根本が問われている。女性は子どもを産む機械であり、現場で働く労働者は単なる働く機械だと、人を人として見ないという人間観が問われている」と厳しく批判しました。
問題の発言は、十五日の参院厚生労働委員会で日本共産党の小他見議員の質問に対するもので、「工場労働というかベルトコンベヤーの仕事、もう労働時間だけが売り物ですよというようなところでなく働いていらっしゃる方々の現実に着目した労働法制を……」などとのべました。
市田氏は、国会での質疑を通して、ひきつづき柳沢厚労相の責任について追及するとともに、こういう人物を罷免しない安倍音三首相に対する追及も強めていきたいと強調しました。
(「赤旗」20070220)
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◎「労働者は、それだけでなく、ブルジョアジーが彼らをまるで物のようにあつかい、彼らの所有物のようにあつかっている……そしてそのためだけでも労働者はブルジョアジーの敵として……労働者はブルジョアジーにたいする憎悪と抵抗なしにはみずからの人間性を救うことはできない」と。