学習通信070502
◎ほらを吹く……

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「ほら吹き」病

 さいごに、とくに若い活動家のかかりやすい「病気」をとりあげておこう。あまりいい名称ではないが「ホラ吹き」病といわれるものだ。それは、レーニンによって『青年同盟の任務』という小冊子のなかで、とりのぞかねばならない「危険」として指摘されているものである。

 「……もっとも真剣な、もっとも困難な、大大的な活動をやらず、ぜひとも批判的に取扱わなければならない諸事実を分析もしないで、習いおぼえたできあいの結論にもとづいて、共産主義について大ぶろしきをひろげようなどと思いつくなら、そういう共産主義者はまことにこまったものであろう」(『青年同盟の任務』)とレーニンは述べている。

 若い活動家は、日本の労働者階級と人民全体にとっての貴重な財産だ。未来をになう力だ。また、若い活動家は、高い情熱と行動力にみちあふれている。ふるい活動家は、こうした若い活動家をたいせつにし、その成長に心をくばらなければならないことはいうまでもない。もしも、こうした若い活動家が、ぞくぞく誕生しなければ、労働組合運動をはじめすべての大衆運動のたゆみない発展・強化など、不可能にちかい。

 しかし同時に私たちは、若い活動家のおちいりやすい「病気」を、見おとしてはならないのである。つまり、労働者階級の科学的理論をしっかりと学びとらぬうちに、パンフレットの知識をもって「すべてが解釈できる」と思いこんだり、スローガンを暗記すればそれでことたれりとすませてしまいがちなことだ。また、労働者階級の科学的な理論を「人類の知識の総結晶」としてあつかうすべをこころえず、マルクス・レーニン主義以外のものを、いっさいガラクタであるかのようにとりあつかったりすることだ。

 そこからは、おうおうにして「共産主義的な経文読みやほら吹きが容易すぎるほどできあがるおそれがある」(前掲書)といえよう。

 若い活動家たちの長所のひとつは、科学的知識について学ぶ要求のつよいことだ。しかし、学ぶということと「棒暗記」の質的な区別をはっきりさせなければならない。

 それには、「活動もせず、闘争もしないでは、共産主義の小冊子や著作からえた、本のうえでの共産主義の知識は、三文の値うちもない」(前掲書)ということをあきらかにする必要がある。活動し闘争しているとき、私たちの理論についての理解は、生きたものとなり、ふかいものとなり、自分のものとなる。ゆたかな感覚、経験をもったときには、それをもたないときにくらべて理論の理解と吸収のふかさは、まるっきり異なるのである。

 しかし、活動し闘争してさえいれば、理論が吸収されると見なすと、十分ではない。科学的な知識を自分の意識としてかためるには、「棒暗記」ではなく、自分の頭で思考することをぬきにしてはならないのである。「なぜそのようにいえるのか」「現実とのかかわりはどのようになるのか」「どのような歴史的条件のもとでの命題なのか」「他の諸命題との関連はどうなるのか」──といったふうな思考のはたらきをへてこそ、科学的知識は、自分の思想のなかに、ものの見かたや方法のうえに生きたものとして消化され血肉化されるようになるのだ。
(森住和弘・高田求著「実践のための哲学」青木新書 p115-117)

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●ほら……おおげさに言うこと。おおげさなうそ。誇張した自慢。もうけなどが意外に大きいさま。 ほらを吹く 法螺貝を吹きならす。大げさなうそを言う。また大言をはく。(大辞林)

ほら……実際よりずっとおおげさに言うこと。また、その話。「ほら吹き」おおげさなでたらめを言う人(新明解国語辞典)


●ホラガイ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
ホラガイ(法螺貝、Charonia tritonis)は、フジツガイ科(旧分類 中腹足目 フジツガイ科)に属する巻貝の一種。日本に産する最大級の巻貝。オニヒトデの天敵。

法螺貝(楽器)
 音を出せるよう加工されたホラガイの貝殻。2006年、岐阜城資料館。貝殻を加工した吹奏楽器が、日本、東南アジア、オセアニアで見られる。日本では、戦国時代には合戦における合図や戦意高揚のために用いられた。修験道においては、立螺作法(りゅうらさほう)と呼ばれる実践が修行される。立螺作法には、当山派・本山派などの修験道各派によって流儀を異にし、吹奏の音色は微妙に違う。

大まかには乙音(低音階)、甲音(高音階)、更には調べ、半音、当り、揺り、止め(極高音)などを様々に組み合わせて、獅子吼に擬して仏の説法とし、悪魔降伏の威力を発揮し、更には山中を駈ける修験者同士の意思疎通を図る法具として用いられる。昭和初期に発表された醍醐寺三宝院当山派本間龍演師の『立螺秘巻』は、その後の修験者、とりわけ吹螺師を修行する者の必須テキストとして評価伝承されている。
 東大寺二月堂の「お水取り」では、堂内から鬼を追い祓うため、法螺貝が吹き鳴らされる。

●大風呂敷を広(ひろ)げる
現実の状況に釣り合わないような誇大なことをいったり計画したりする。(国語大辞典)

●ラッパを吹く……大言を吐く。大言壮語する。ほらをふく。(大辞林)
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──つまり、労働者階級の科学的理論をしっかりと学びとらぬうちに、パンフレットの知識をもって「すべてが解釈できる」と思いこんだり、スローガンを暗記すればそれでことたれりとすませてしまい……労働者階級の科学的な理論を「人類の知識の総結晶」としてあつかうすべをこころえず、マルクス・レーニン主義以外のものを、いっさいガラクタであるかのようにとりあつか」うと。