学習通信080228
◎それは一体、何のためか……

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《潮流》

「そのうち肥満の人が、非国民≠ノなるかもしれません」。冗談ともつかない口ぶりに会場がドッと沸きました。地元共産党市議の市政報告会のひとこまです

▼テーマは、四月から実施される健診制度の変更について。本当は笑えない話です。まじめな話、これからはメタボリック・シンドローム(内臓脂肪症候群)と診断されると、他人に迷惑をかけてしまうのですから

▼つまりはこういうわけです。四月から職場や自治体で実施してきた基本健診がなくなり、特定健診制度が始まります。対象は四十〜七十四歳。目玉が生活習慣病であるメタボの予防・改善です

▼誰だって肥満は避けたい。問題は、受診率や改善率が悪い健保組合などの保険者にペナルティーが科せられることです。自治体の場合、国の方針に基づいて目標をたて、メタボと診断された市民を五年間で10%減らさないと高齢者医療保険への拠出金が増やされます。その分、保険料が値上げされ、メタボの人は肩身の狭い思いをすることに

▼健診では腹囲の計測が加わります。男性なら85a、女性なら90aが境目。日常生活でメジャーが必需品になるかもしれません。でも、ちょっと待ってほしい。後期高齢者医療制度で七十五歳以上の人を差別し、特定健診制度で肥満の人を差別する。それは一体、何のためか

▼困った人々をつくり国民を分断することは、世論工作の常とう手段です。保険医療を抑制し、企業の税・保険料負担を減らしたいという狙いも見え隠れします。
(「赤旗」20080219)

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(4)極端な大企業中心主義の異常をただす、経済民主主義の改革

──略──

 ロ、国民に苦難をおしつけるための、誤った考え方を打ち破る……

「構造改革」を国民に無理やりおしつけるために、さまざまな誤った考え方――「官から民へ」「小さな政府」「公務員の既得権益打破」などが広く流布されている。

 「構造改革」の考え方に共通するのは、国民の中に「対立」をつくり「分断」をはかることである。「公務員労働者と民間労働者」、「現役世代と高齢者」、「労働者と自営業者」、「働く女性と専業主婦」など、意図的に「対立」をつくり、暮らしを壊す政治に反対する勢力や運動を、「既得権益」を守るための「利己的」行動とえがいて攻撃する。これが常とう手段である。

 こうした国民分断の攻撃にたいして、社会的連帯を大きくおしだし、その立場にたった反撃とたたかいをすすめることが重要である。いま「小さな政府」のかけ声ですすめられている公務員攻撃のねらいは、住民サービスの切り捨てとともに、民間労働者との賃下げ競争を加速させること、さらに大増税への地ならしにある。公務員労働者が、この攻撃の本質を明らかにし、「住民との連帯」、「民間労働者との連帯」、「国民との連帯」の立場で、これをはねかえすことがつよくもとめられている。
(日本共産党第24回大会決議 第1章 自民党政治の異常な特質と、日本改革の方針 「前衛 06年4月号臨時増刊」日本共産党中央委員会 p22-23)

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◎「国民分断の攻撃にたいして、社会的連帯を大きくおしだし、その立場にたった反撃とたたかいをすすめることが重要」と。