学習通信080430
◎万人のスポーツ、サッカーにも……

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《潮流》

テレビのサッカー番組を眺めていたときです。解説者が、おもしろい話をし始めました

▼彼は、全員が攻めて全員が守るスピード感あふれるフットボールを、「サッカー共産主義」とよびます。すべての選手がどんな場面にも対応でき、個人技とチームプレーが統一するサッカーをさします

▼ということは、一人ひとりが指令で動くのではなく、判断力と技量をもちあわせていなければなりたちません。自由な人間の結合が生みだす美しいまとまり。解説者は、そんなサッカーの理想形を「共産主義」にたとえました

▼後日、フランスのジャン=リュック・ゴダール監督の映画「アワーミュージック」をみていました。ユーゴ内戦後のサラエボに、欧州諸国の人々、ユダヤ系、パレスチナ系やアメリカ先住民が現れ、世界についてのべあう。映像で哲学を語るような作品です

▼突然、次のセリフが出てきました。「共産主義が一度だけ存在した。あのときだけだ……。ウェンブリー・サッカースタジアムでハンガリーがイギリスを6対3で破ったときだ。イギリスの個人プレーに対し、ハンガリーは全員でたたかった」。ウェンブリーはロンドンの競技場で、「サッカーの聖地」とうたわれます

▼かつてハンガリーに、共産主義≠ニよばれた時代がありました。しかし映画のセリフは、現実にはソ連・東欧に共産主義などなく人々もバラバラにされた、といいたいのでしょう。共産主義とはなにか。万人のスポーツ、サッカーにもヒントがありました。
(「赤旗」20080417)

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 最後に、目先を変えるために、共同的生産手段で労働し自分たちの多くの個人的労働力を自覚的に一つの社会的労働力として支出する自由な人々の連合体を考えてみよう。
(マルクス「『資本論』@」新日本新書 p133)

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◎「自由な人間の結合が生みだす」と。
 ……学習通信060710を参照してください。