学習通信080521
◎組織された道具としては、さらにいっそう重要……

■━━━━━

 第1章 職場でトラブルが起きたらどうするか

 「身に覚えのない理由で突然クビになった」「毎日のように残業してますが、残業代はほとんど出ていません」「社会保険に入れてもらってない」「上司からいじめを受けている」──あなた自身やまわりの人に、このような経験はないでしょうか。あるいは、こうしたケースに限らず、自分が働いている現場で、とても不当なことをさせられている、人間として扱われていない、何かおかしいと感じることはないでしょうか。もしそういうことがあれば、すぐに「労働組合」に相談しましょう。

雇う側と雇われる側は平等ではない

 いきなり「労働組合」という言葉が出てきてびっくりされたかもしれませんね。労働組合が何であるかはあとで説明しますが、ひとまず、労働者が自分たちの利益を守るためにつくっている組織であると考えてください。

 すべての問題の出発点は、「労働組合」に相談するところからはじまるのです。なぜでしょうか。それは、私たちが生きている資本主義社会において、雇う側と雇われる側、使用者と労働者の立場は、平等ではないからです。つまり雇われる側としての労働者が、雇う側である使用者と対等に交渉するためには、「労働組合」を通じて集団で立ちむかわなければならないからです。

 第1部第1章のケースーで、「お前の代わりはいくらでもいるんだよ」と言ったファミレスの店長の言葉を思い出してください。職場の人間関係を、あからさまに雇い主と雇われる者一般の関係に転換しようとしていましたね。どうしてそうなったのかというと、使用者と労働者との間では、まったく力関係が異なるからです。

 なぜ、力関係が大きく異なるのでしょうか。それは産業革命以後の、資本主義社会の現実を見れば明らかです。人々が働く現場の多くは、資本家すなわち使用者が、資本を出すことによってつくられた経営機構であり、使用者は、その経営機構の組織全体を支配する立場にあるからです。

 「お前の代わりはいくらでもいるんだよ」という、ファミレスの店長の言葉は、店長対店員という、実際の職場の中の職務上の関係から、突然飛躍して、まるでそのファミレスの経営者と被雇用者という関係にまで一般化してしまうことで、有無を言わせない強力な権力関係をつくろうとしていたわけです。

 そうした、大きな権力の落差が生み出されてしまうのが、雇う者と雇われる者、使用者と労働者の関係なのです。あのファミレスの店長も、単なる雇われ店長だったのかもしれません。その立場だけでは、翌日のシフトの穴を埋めるための、半ば強制的な業務上の命令しか通用しないとどこかで判断していたので、いきなり、使用者一般の位置に飛び上がって、権力を肥大化させようとしたわけです。

 なぜ、労働者は、使用者に対して、それだけ弱い立場にあるのでしょうか。あのアルバイトの青年のことを考えればはっきりしますね。言うことを聞かなければ、仕事を取り上げると宣告されているわけです。仕事が無くなれば生活していけません。被雇用者である労働者の場合、使用者から雇用関係を断ち切られれば、ただちに生活していけなくなる、つまり生きていけなくなるわけです。

 労働者は、何も待っていません。自分の身体しかないわけです。ですから、その自分の身体が持つ労働力を、工場や機械を持ち、原料を調達して商品を生産する企業主である資本家に売ってその代償として賃金を受けとるのです。現在の資本主義社会の中で一般化している労働の形ですね。こうした働き方のことを、賃労働、あるいは賃金労働といいます。

 例に出したファミレスの揚合は、お店を所有し、食材を調達し、それを調理する人を雇い、その調理された食事を、フロア係のサービスによって提供するという経営機構を、資本を出してつくった企業に、非正規雇用のアルバイトとして「オレ」は雇われているわけです。

生存権を守る国家の義務と労働法

 使用者の側が、労働者を集団的に雇用しているわけですから、ファミレスの店長の言ったように、労働者になる人員が別にたくさん存在すれば、使用者の側は、いくらでも「代わり」を見つけることができます。したがって雇用契約を結ぶ場合には、使用者と労働者は、対等で平等な当事者には絶対になれないのです。労働者の側は使用者の言う条件に従わなければ、雇用契約を結べません。そうなれば、ただちに生きていけなくなるわけですから、雇用における使用者と労働者の不平等・非対称な関係は、労働者の「生存権」にただちにかかわってくることになります。

人間が生きていくことそれ自体の権利を「生命権」といいます。人間は必ず他の人間とのかかわりの中でしか生きていけませんから、その人間が属しているある一定の社会的な関係の中で、「健康で文化的な最低限度の生活を営む権利」のことを「生存権」といいます。引用したのは日本国憲法の第二五条です。

 でも、「生存権」という権利だけが保障されていても、責任をもってその権利を保障してくれる他者が存在しないと、権利は実現されませんね。ですから日本国憲法第二五条には、第二項で、「国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない」という、国家の義務が規定されているのです。

 まずここで、第一の確認をしておきましょう。使用者と労働者の関係が不平等で対等ではないため、雇用関係においては労働者の「生存権」が危うくなり、脅かされる可能性が常にあります。この「生存権」を守る責任と義務は、国家の側にあるということを、日本国憲法は規定しているわけです。

 この憲法第二五条で保障された「生存権」という考え方に基づいて、「労働法」と総称されている、国家における法律の体系があるのです。「労働法」には二つの柱があります。

 一つは、日本国憲法第二七条に基づく法体系であり、もう一つは第二八条に基づく法体系です。憲法第二七条は、まず、「すべて国民は、勤労の権利を有し、義務を負ふ」と規定し、次に第二項で、「賃金、就業時間、休息その他の勤労条件に関する基準は、法律でこれを定める」としています。この憲法第二七条第二項に基づく法律の主なものは、「労働基準法」と「最低賃金法」と「労働安全衛生法」などです。

 これは、国家の法律によって、労働をする際の諸条件について、最低限の基準を定めて一人ひとりの労働者を保護しようとする法体系です。ですから、一人ひとりの働く人の「生存権」が、どのような法律によって、その最低基準が明記されているのかを知っていることは、いまの社会で生きていく上で、最も大切な命綱です。

 先に確認したように、使用者と労働者が、同じ対等の立場に立つことは、原理的にありえないことです。世界の歴史と日本の歴史をふりかえってみても、たとえば不況などで労働力の必要と供給のバランスが崩れれば、大規模な首切りと悲惨で劣悪な労働条件が労働者に押しつけられます。
(小森陽一「理不尽社会に言葉の力を」新日本出版社 p123-128)

■━━━━━

こんな社会でいいのか
■雇用破壊を追う

労組の力@
1 人間が働く場所がない

 自動車メーカーに派遣・請負を送り込む会社で青年たちが相次いで労働組合に加入しています。会社と交渉し、正社員化や職場環境を改善させています。「私たちの知らない世界でした」と青年たち。未知の世界には何があったのか──。(人物は仮名)

 「リーダーをやってほしい」。職場が丸ごと移転するさい上田広さん(二七)は、職長に声をかけられ、胸がおどりました。

 期間工なのに

 上田さんは請負会社と三カ月契約を繰り返す期間工でした。職場はトランスミッション(変速機)に部品を組み付ける作業です。三人でチームを組み、午前八時〜午後五時の昼勤、午後八時〜午前五時までの夜勤を一週間交代でこなします。一方のチームリーダーをまかされました。といっても契約は期間工のままで日給も九千六百円と従来通り。「名ばかりリーダー」でした。

 上田さんは、移転先に行って驚きます。旧資材置き場に組み付け機械が据えられていました。照明は暗く、冷暖房設備もなく、電気のスイッチは機械裏の危険な場所にありました。契約にない工程が一つ増えていました。

 人間の働く環境とはとてもいえません。夏は機械の出す熱風が充満し、汗がたて続けに落ちます。冬は天井近くの開け放たれた窓から雪が降り込む日もありました。寒さに耐えられなくなると工場内を交代で全力で走り、体を温めました。

 上田さんは、リーダーとして契約外の工程も含め同僚二人の仕事が時間内に終わるようにと腐心します。一時間の早出、二時間の残業、昼休みも三十分削り、仕事の準備、残った仕事の片付けと働きます。これがトラブルの元になろうとは……。

 解決の方法を

 上田さんは、働きながら定時制高校を卒業。その後、会社とけんかしてやめます。建設現場で荷揚げの日雇い派遣、零細企業で働いてきました。これまで残業代がでるなど、考えたことのない環境で働いてきました。

 反対番リーダーのAさんとはノートで作業状況を引き継ぎしました。Aさんは、契約外の作業をせず、上田さんのやり方を非難します。上田さんは神経を逆なでされたように感じました。「人間失格だ」との言葉がノートに書きつけられていたことに逆上していました。

 交代時間にAさんの胸ぐらをつかみ、殴りかかろうとします。「本音をいうとあのとき、刑務所に入るのも人生経験だ、一人やっても死刑にはならない、と思っていた。ブレーキをかけられたのは、一生懸命に育ててくれた母親らの顔が思い浮かんだからです」

 上田さんには、何が問題で、どう解決したらいいのか思い浮かびませんでした。このとき出合ったのが労働組合でした。

 上田さんはいいます。
 「いま考えたら、おかしいと思うことばかり。それに気付いて、解決する方法や生き方を教えてくれたのが労働組合の先輩たちでした。先輩たちは、私たちの知らない世界を知っていました」

2 「最近お前変わったな」

 三十六万六千円──自動車メーカーで請負として働く上田広さん(二七)にとって忘れられない金額です。労働組合に入って、請負会社と交渉。正社員に登用され、リーダー手当、サービス残業代をさかのぼって支払わせたお金でした。

 初めての貯金

 貯金できたのも、両親と兄を夕食に招待できたのも、このときが初めてでした。「夕食といっても私の好きな焼き肉屋さんですけどね」と上田さん。一月のことでした。

 正社員になったきっかけは、リーダー同士のいさかいに悩んでいた上田さんに同僚が声をかけてくれたことです。「労働組合に相談したら」

 労働組合は、個人加盟です。上田さんは、労働組合についての知識はまったくありませんでした。事態を解決したいとの一心で加入します。

 分会執行委員長は、親会社で正社員として働き定年退職した梅田克己さん(六一)。書記次長は同じく村田清さん(六七)です。「二人が僕の話を真剣に聞いてくれた。『自分のしてることを基準にしてはいけないよ。相手の立場も考えるべきでは。よく話し合って……』といってくれた。五時間も付き合ってくれたこともありました」

 リーダー同士のいさかいに会社は、二人ともリーダーから外す動きにでました。所長、職長がリーダーニ人を呼んで話し合う場が設定されました。組合役員の二人は、上田さんにこうアドバイスします。「リーダーとして懸命に働いてきたこと。仕事上の弊害をただすために頑張っていきたいこと。自分の思いを率直に訴えたらいい」

 所長、職長に上田さんは、自分の思いをそのまま伝えました。この訴えに会社の上田さんを見る目が変わりました。

 一方、労組は上田さんが組合に加入したことを会社に通告。「リーダーとして働いているのに期間工ではおかしい。正社員にすべきだ。リーダー手当三千円を付けよ。サービス残業を払うべきだ」と要求します。

 要求受け入れ

 会社は、要求のすべてを受け入れました。冒頭の三十六万六千円は、このときに支給されたものです。正社員にもなり日給は九千六百円から一万円にあがりました。

 職場の環境改善も要求して、危険な状態で放置されていたバッテリーカーにストッパーが付きました。電気のスイッチの位置も安全なところに付け変わりました。寒さ対策にジャンパーが支給されるようになりました。

 労働組合としてきちんと要求し会社と話し合っていけば改善できる──上田さんは、問題を解決していく道筋、方法がわかり、生き方に自信がついてきました。

 上田さんは、しみじみといいます。
 「『最近、おまえ変わったな』と友人がいうんですよ。友人が困っていると、こうしたらとアドバイスしている自分がいるんです。難しいことをさけていてはいけないんですね。労組と出合えてよかった」(文中、仮名)

3 派遣会社に話しが通じた

 向こう側に会社部長と営業所長が座っています。団体交渉を前にした事務折衝の場でした。

 「あちこち職場に振り回し、賃金も下げる。こんな扱いありますか」。自動車メーカーで請負として働く山手肇さん(三二)は思いのたけを訴えます。横には労組分会書記次長の村田清さん(六七)。

 部長が頭さげ

 部長が頭をさげました。「悪いことをした。申し訳ない」

 派遣・請負会社は、これまで労働者の話に聞く耳をもちませんでした。

 「嫌だったらやめよ」というばかり。それが一変。「私たちの話が通じている。これが労組の力だと思った」と山手さん。

 山手さんは、十一年間にわたって同社で働いています。入社のさい正社員契約をして、派遣・請負として各職場に送りこまれます。

 自動車メーカーで働いているときでした。他社への異動を無理強いされます。しかも「自動車メーカーには自己都合でやめた」ということにされました。移った先の会社の仕事にもなれ、現場責任者から頼りにされる存在になった時期でした。

 「一カ月後にやめてほしい」と解雇通告されます。同社が減産し、派遣契約を打ち切り、それとともに派遣・請負会社からも解雇されたのでした。

 解雇されて二週間後、会社は山手さんに再雇用を申し出てきました。元働いていた自動車メーカーが増産に入るので「今度は請負で行ってくれ」というのです。しかも契約は期間工扱いです。

 「そんなのおかしい。二週間前までは正社員だったのに」といっても受け付けません。「正社員の枠はない。二〜三カ月して考えよう」といいます。

 日給は一万二百五十円から一万円にダウン。月三千五千円あった手当もなくなりました。自動車メーカーは、元働いていた職場。技術の習得に三カ月かかるところを一カ月で覚えました。三十分早出して誰にも負けないくらいに働きました。

 三カ月後に「正社員の話はだめなんでしょうか」と会社に申し出ると「現場の経験が浅いからだめだ」。その後、二カ月置きくらいに二回申し出ても同じ返事です。

 「すべて否定」

 「あのときは、腹がたって腹がたって。現場経験が浅いだって……。当時私は七〜八年も働いていたんです。私のすべてが否定されたみたいでした」

 それから山手さんは二カ月くらい口を開くと「ストだ。ストしよう」といっていました。

 職場のリーダーが山手さんに「組合に一回、話を聞いてもらえ。助けてくれるかもしれないよ」と耳うちしました。リーダーが組合員と連絡をとってくれ、仕事が終わって、ハンバーガー店で落ち合いました。あらわれた組合員は別の現場の人。顔見知りでした。話を聞き「それは、おかしい。組合として要求しよう」と応じてくれました。

 こうして冒頭の事務折衝が実現しました。会社は、山手さんの訴えに応じ、正社員として採用し、時間外賃金も支払うことを約束、サブリーダーに登用しました。(文中、仮名)

4 ベテランと青年 腕組む

 「こんにちは。また一人組合員が増えました。通告します」。労働組合分会委員長の梅田克巳さん(六一)は、組合員が増えるたびに請負会社の事業所に赴き、通告書を渡します。通告書には氏名と要求内容。これを基に書記次長の村田清さん(六七)が事務折衝を始めます。

 組合費も払い

 労組の存在感を決定づけた出来事がありました。労組を嫌うグループが労組に対抗し、一時金の支給などを連名で要求します。会社は、不当にも相手にしません。団体交渉権を法的に保障されている労組とは違うというのです。以降、労働者がなだれをうつように加入。すでに労組員は半数近くになっています。

 「私たちは、会社を突き上げるようなことはしません。労基法や就業規則からみて『おかしいですよ』と問題を指摘。解決策を協議します」

 ニコニコと話す村田さんは親会社の正社員でした。不当な扱いに屈することなくたたかいぬいた人です。定年退職して七年がたちます。

 「梅田委員長が『組合員が増えて手が回らん。手伝ってほしい』という。それならと正式に組合に加入し、組合費も払い、書記次長をひきうけた」。現役復帰でした。

 労働現場は、殺伐としていました。請負労働者は、仕事に追われチームのメンバーとさえ口を聞いたことがないといいます。組合は、待遇の改善とともに働きやすい職場づくりに乗り出します。

 「働くみんながコミュニケーションをとれるように」「みんなが技術を習得できるように」。団体交渉で要求・協議し、時間外手当を保障した健康診断、月一回一時間の職場ミーティングが実現しました。労働協約を結ぶ準備をしています。

 一つひとつ請負会社と協議し、働くルールを具体化しています。

 「うれしいな」

 「働きがいが出てきました。私たちの提案を会社が受け入れてくれる。こんな工夫をしようと話し合うんです」。職場リーダーとなっている山手肇さん(三二)が話します。

 山手さんは、四歳と二歳の男の子の父親。正社員となり、リーダー手当もつくようになり、年にして給料が六十万円上がりました。「妻がマンションをほしいというので買いました。いやー。たいしたことないんです。3LDKで……」。照れくさそうに話します。

 「よかったなあ」と梅田さんと村田さん。「労働運動に年齢は関係ありません。職場で起こっている問題、要求を解決するために何時間も話し合い、がんばってくれる。頼もしいですね」。二人はこもごも話します。

 「名ばかりリーダー」だった上田広さん(二七)がいいます。「二人にはいろんなことを教えてもらった。いったことはないんですが、二人に『ほんとにありがたい』と感謝してるんです」

 「えー。そんなこと思ってくれてたのか。うれしいな」。梅田さんと村田さんの目が潤んでいました。ベテランと青年たちの腕を組んだたたかいは始まったばかりです。(文中、仮名)(おわり)
 (四ケ所誠一郎)
(「赤旗」20080516-0521)

■━━━━━

労働組合。その過去、現在、未来

(a) その過去。

 資本は集積された社会的な力であるのに、労働者が処理できるのは、自分の労働力だけである。

したがって、資本と労働のあいだの契約は、けっして公正な条件にもとづいて結ばれることはありえない。

それは、一方の側に物質的生活手段と労働手段の所有があり、反対の側に生きた生産力がある一社会の立場からみてさえ、公正ではありえない。

労働者のもつ唯一の社会的な力は、その人数である。

しかし、人数の力は不団結によって挫かれる。

労働者の不団結は、労働者自身のあいだの避けられない競争によって生みだされ、長く維持される。

 最初、労働組合は、この競争をなくすかすくなくとも制限して、せめてたんなる奴隷よりはましな状態に労働者を引き上げるような契約条件をたたかいとろうという労働者の自然発生的な試みから生まれた。

だから、労働組合の当面の目的は、日常の必要をみたすこと、資本のたえまない侵害を防止する手段となることに、限られていた。

一言でいえば、賃金と労働時間の問題に限られていた。

労働組合のこのような活動は、正当であるばかりか、必要でもある。

現在の生産制度がつづくかぎり、この活動なしにすますことはできない。

反対に、この活動は、あらゆる国に労働組合を結成し、それを結合することによって、普遍化されなければならない。

他方では、労働組合は、みずからそれと自覚せずに、労働者階級の組織化の中心となってきた。

それはちょうど中世の都市やコミューンが中間階級〔ブルジョアジー〕の組織化の中心となったのと同じである。

労働組合は、資本と労働のあいだのゲリラ戦にとって必要であるとすれば、賃労働と資本支配との制度そのものを廃止するための組織された道具としては、さらにいっそう重要である。
(マルクス「労働組合。その過去、現在、未来」ME8巻選集C 大月書店 p172)

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓
◎「すべての問題の出発点は、「労働組合」に相談するところからはじまる」と。