学習通信080605
◎財界が、政府の足をひっぱって……
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自分を取り巻いている労働者世代の苦悩を否認する実に「十分な理由」をもつ資本は、その実際の運動において、人類の将来の退化や結局は食い止めることのできない人口の減少という予想によっては少しも左右されないのであって、それは地球が太陽に墜落するかもしれないということによって少しも左右されないのと同じことである。
どんな株式思惑においても、いつかは雷が落ちるに違いないということはだれでも知っているが、自分自身が黄金の雨を受け集め安全な場所に運んだあとで、隣人の頭に雷が命中することをだれもが望むのである。
大洪水よ、わが亡きあとに来たれ!≠アれがすべての資本家およびすべての資本家国民のスローガンである。
それゆえ、資本は、社会によって強制されるのでなければ、労働者の健康と寿命にたいし、なんらの顧慮も払わない。肉体的、精神的萎縮、早死、過度労働の拷問にかんする苦情に答えて資本は言う──われらが楽しみ(利潤)を増すがゆえに、われら、かの艱苦に悩むべきなのか? と。
(マルクス著「資本論」新日本新書A p463-464)
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《潮流》
昔々の中国。魏の曹操が隴(ろう)の地を手に入れたとき、部下の仲達がすすめました。「蜀の地も攻め取ってしまいましょう」
▼すると曹操は、「人間は満足することを知らないものよ」といいました。で、生まれた言葉が「隴を得て蜀を望む」。欲望にはきりがないさまのたとえです。時やところが変わっても、あてはまる人はいます。いまの日本なら、財界団体が代表格でしょう
▼神戸で開かれていた主要八力国(G8)の環境相会合。地球温暖化の防止へ本気度を疑わせたのが、議長国の日本です。世界の目下の関心事は、二〇二〇年までに温暖化ガスをどれほど減らすかの中期目標です。ところが日本は、目標を定めようとしません
▼温暖化を防ぐ手だてを話し合う洞爺湖サミットの議長国で、率先して決めないといけないのに、です。目標にしばられたくない抵抗勢力の財界が、政府の足をひっぱっています。「あとは野となれ山となれ」もきわまれり、です
▼基礎年金をすべて税金でまかなう方式も、財界の要求です。企業の保険料負担をなくし、かわりに消費税をどんどん増税して庶民から──。いまでも、日本の企業の社会保障負担はヨーロッパの主な国々より低い。身勝手がすぎます
▼ことわざには、「欲の熊鷹股裂ける」もあります。逃げ回る二頭のイノシシをつかんだクマタカが、どちらも放さず股がさけてしまった。欲張りすぎるとひどいめにあうたとえです。財界の場合は、庶民が思い知らせないといつまでも「蜀を望む」ですが。
(「赤旗」20080528)
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◎「それは地球が太陽に墜落するかもしれないということによって少しも左右されないのと同じことである」と。