学習通信081119
◎新聞の役割は……

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「赤旗」中心の活動

 発達した資本主義国である日本での特別重要な役割

〈「赤旗」は党と国民の絆であり、党中央と党員を結ぶ生きた動脈〉

 次は、「赤旗」中心の党活動についてです。
 わが党の決定のなかで「機関紙中心の党活動」がいかに重要かについて明らかにした原典的な決定は、第八回党大会四中総決定(一九六二年十月)です。この決定は「機関紙中心の党活動」の基本的な内容が言い尽くされていると言ってもよいほどです。

「党の中央機関紙は、宣伝、扇動、組織者であり、政治的経済的思想的諸闘争や統一戦線のための活動をふくめた、全大衆活動のためにも、また強大な党を建設するためにも、機関紙はつねに党と人民の日々のゆくてを示すラ針盤であり、また党中央と全党員の活動をむすぶ血管である。また党と大衆を日常不断にむすびつけているきずなである。したがって機関紙活動は、たんに四つの旗の一つである党建設のなかの課題であるだけでなく、四つの旗を実現する活動全体をむすびつける党の生きた動脈であるという特別の任務と性格をもっている。さらにまた、この機関紙活動の欠陥は、たんに党と大衆との政治的組織的結びつきの面での弱化をき たすだけでなく、党中央の活動をささえる財政的な基礎の弱化となり、ひいてはそれが全党の活動の財政的な弱化に波及する危険をもつものである」。

(注)「四つの旗」 綱領路線を表わすもので、一つは、反帝反独占の人民民主主義革命の旗、二つ目が、民族民主統一戦線の旗、三つ目、自主独立の強大な日本共産党建設の旗、四つ目、反核平和と主権擁護の国際連帯の旗です。それが今の党章の四つの旗になっているのですが、新しい綱領の下では、用語などに合致しない面もあるので言わなくなっています。

 内容的に若干触れますと、機関紙中心の党活動は、党建設のなかの一部門という狭い問題ではありません。わが党の綱領路線を実現していく党活動全体を結びつける生きた動脈と言われるほどの位置づけを持っているということです。「赤旗」が持つ宣伝、扇動、組織者という役割、政治的・経済的・思想的諸闘争や統一戦線のための活動を含む全大衆活動の発展のためにも「赤旗」が大きな役割を持っています。この「赤旗」なしには、大衆闘争を指導し組織していくことはできないということです。これは、みなさん方も今の現実の諸闘争を考えればよくおわかりだと思います。

 同時に強大な党をつくる場合も、「赤旗」を通して初めて大きな党をつくることが可能になります。そこには、二つの面があります。一つは、「赤旗」を通じて党と国民との結びつきを広げ、結びつきが強まることで党への理解が深まり、こうした人たちを党に迎えいれていくことにつながっていく。こうした党と国民との結びつき、重要な絆だという側面が一つです。二つは、そうした大衆活動と党建設に取り組むために、全党を指導し党中央と全党員の活動を結んでいく血管が「赤旗」だという面です。

 現在、四十万の一人ひとりの党員は、「赤旗」を通じて日々党中央と直結しています。ですから機関紙が後退したり停滞したりすることは、単に党建設の一分野の機関紙が後退しているということにとどまらないで、党と国民との結びつき、党建設全体、党活動全体が、後退するということに結びつく意味を持っています。よく機関紙増減の間題を階級闘争のバロメーターと表現することがありますけれども、それはこうした内容を示したものです。

〈財政活動の大きな支え〉

 それとともに機関紙活動は、日本共産党の自主独立の党としての財政活動でもあります。国民もに依拠した財政活動を進めていることを、今度の第二十四回党大会(二〇〇六年)はわが党の特質の一つとして掲げています。財政活動には、機関紙誌などの事業収入と党費、個人の寄付が入っていますが、党中央財政で見た場合、一番大きな比重を占めているのが機関紙です。機関紙を通じての事業財政が、中央財政を支える力になっていると言えます。

 このことは中央委員会に限らず、県委員会、地区委員会でも同じです。みなさん自身が、日々実感を持たれていると思います。機関紙が減れば中央の財政も極めて困難になりますし、県、地区も困難になる。あるいは、中央から地方への援助をおこなおうと思ってもそれができなくなる。かつてと比べたら選挙戦のなかでも中央から地方へ援助する額が、だんだん少なくなっていますが、これも機関紙が、後退を続けているなかで中央財政が非常に厳しくなってだんだんできなくなってきているのです。

 機関紙が後退するということは、国民との結びつきが弱まり党活動全体の後退につながるわけですが、逆に言えば、「赤旗」を前進の軌道に乗せれば、党活動全体が前進の軌道に乗っていくことにつながります。この点も見て、党活動の中心として位置づけているわけです。

 ですから、第二十二回党大会(二〇〇〇年)は先に言ったように改めて「党員拡大は党建設の根幹」と「『しんぶん赤旗』中心の党活動」の二つをにぎって離さないということをきちんと整理して位置づけ直したのです。

 多数者革命を進めていくうえにおいても、中心的な役割を果たすのは、「赤旗」です。多くの国民が、さまざまなイデオロギー攻撃のために自分たちの置かれている立場への自覚が麻痺させられているなかで、一人ひとりの国民の考え方を変えて統一戦線に結集していくということを考えた場合に、やはり「赤旗」をどれだけ国民のなかに広げていくかということが大きな意義を持ちます。

〈「赤旗」が力を持つ実例〉

 ある著名な文化人の方が、「赤旗」日刊紙がせめて当面百万部になれば日本の世論をもっと大きく動かすことができるのにと言って、「赤旗」は本当にいい新聞だからもっと国民に広げてほしいと言ってくださっています。「九条の会」が憲法改定を阻止しようと頑張っても一般マスメディアはほとんど報道しません。最近は、少しは紹介するようになりましたが大勢は変わりません。そういうなかで「九条の会」の活動を逐一ていねいに報道しているのは「赤旗」です。憲法改悪反対のたたかいをとってみても、「赤旗」が大きな力を持つことを、運動に取り組んでおられる中心的な人たちはみんな思っておられます。

 このことは安保改定反対闘争の時の経験でも言えます。当時は中央では社会党や総評が、安保共闘の中心にすわっていて共産党はオブザーバーの立場におかれていました。地方では、共産党は正式に共闘の一員として加わって頑張っていましたが。しかし、安保闘争がだんだん盛り上がっていくと、これを毎日報道するのは民主陣営では「赤旗」しかないわけです。

 そうすると安保闘争をたたかっているなかで、社会党の人たちや総評の人たちも「赤旗」を頼りにするようになりました。私も安保闘争は地方で党の代表として活動していましたけれども、結局は毎日「赤旗」を見なければ、情勢や全国の運動の状況もわからないし、地方の共闘でどういうふうに運動を進めていったらいいか自信が持てません。当時「社会新報」(社会党の機関紙)は週に一回です。「赤旗」は毎日来る。だから結局、総評の幹部も社会党の幹部も、安保闘争のなかでは「赤旗」を指針にせざるを得ないような状況になって、あの闘争が組織されていったという面もあるわけです。

〈機関紙活動の新たな発展方向を示した第二十二回党大会決議〉

 発達した資本主義国である日本での新たな機関紙活動の発展方向を整理し直したのが、第二十二回党大会(二〇〇〇年)の決議でした。第八回大会四中総(一九六二年十月)以来の、わが党の党建設の蓄積を踏まえての再整理です。次のように述べています。

「第一に、党員と党支部、党機関が、『しんぶん赤旗』をよく読み、討議して、活動する。これは、『しんぶん赤旗』中心の党活動≠フ大前提である。

 一人ひとりの党員にとって、『しんぶん赤旗』を読むことは、勇気と展望を持って生活し、活動する源泉である。とくに、商業ジャーナリズムが巨大な規模で発達している今日のわが国の現状のもとでは、『しんぶん赤旗』を読むことぬきには、党員が確信を持って成長していくことは難しい。

 すべての党員が、日刊の『しんぶん赤旗』を購読し、それを読むことを日々の日課とする党の気風をつくりあげる。日刊紙をまだ読んでいない同志への援助を強め、未購読の克服に力をつくす」。

 「第二に、党と国民とのつながりを『しんぶん赤旗』を軸にして広げていく。そのための持続的拡大と、配達・集金体制の強化をはかり、それによって党と国民とのあいだに、打ち破りがたい深いむすびつきをつくりあげていく。

 そのために、すべての支部、地区、都道府県が、毎月着実に前進をかちとることを目標に読者拡大にとりくむ」、「『支部が主役』の配達・集金活動をつくりあげていくために力をそそぐ。居住支部ならば、その責任をもつ地域内のすべての読者の配達・集金にみずから責任をもつ体制をつくる。職場支部ならば、職場内の読者に可能なかぎりみずから配達・集金する体制をつくることがのぞましいが、その職場の読者が住んでいる地域に配達・集金を依頼している場合でも、職場内のすべての読者の名簿をもち、つねに人間と人間との生きた日常的なむすびつきをさまざまな形で強める。こうした粘り強い努力とむすびついてこそ、毎月自覚的に読者を増やすことは可能になる」、「配達・集金活動は、粘り強さ、持続性、不屈性がもとめられる、地道で貴い活動である。どの他党もまねができない、わが党ならではの財産でもある。これに携わっている同志の努力の営々とした積み重ねこそが、社会変革を根本から準備している」。

 「第三に、読者と協力・共同して、党活動を発展させることである。すべての党組織が、要求にもとづく活動、選挙活動、党建設など、あらゆる活動で、『しんぶん赤旗』読者としっかり協力・共同して活動していく。

 まず何よりも読者を、党をもっともよく理解してくれる友人として大切にし、その要望を聞き、意見を聞き、それにこたえた活動をおこなう。同時に、支部がとりくむさまざまな活動への協力を率直にお願いし、ともに活動にとりくむようにする。こうした双方向≠フ協力・共同を発展させ、そのなかで読者との血の通った人間と人間との関係──人間的信頼関係をつくるようにしたい」。

 「第四に、着実な読者拡大と、確実な配達・集金活動の前進、後退は、党中央委員会や、全国の党機関、党支部の財政の前進、後退に直結する大問題でもある。この面からも、「しんぶん赤旗」中心の党活動≠重視し、それによって党財政をささえるという点でも、大きな成果かあげるようにしたい」。 ここで一つ注目してほしいのは、「赤旗」中心の党活動≠ニいうことは、支部が「政策と計画」を持って、自主的自覚的に活動していくということと、まったく重なり合う活動だということです。そういう意味合いを持ったものであることを強調しておきたいと思います。

「支部が主役」の配達・集金体制確立の特別の意義

 配達・集金活動ということでは、最近、機関紙部長会議を開きまして、拡大だけではなく、「支部が主役」の配達・集金活動を確立することを、「政策と計画」の活動と重なり合う一番大事な問題として提起しました。これはいま述べた第二十二回党大会決議の機関紙活動の新しい発展方向の二つ目としてあげたものです。つまり、「機関紙中心の党活動」の土台というのは、読者と党が結びつくということの出発点が配達であり、集金だという提起です。

 せっかく読者になっていただいても、配達がきちっとおこなわれない、集金がきちっと毎月おこなわれないということになったのでは、読者と党との結びつきはうまくいきません。逆に配達の乱れや未集金ということになったら、読者が読者になったがために日本共産党に対する不信感を持つようになりかねません。だから読者になってくれた人たちにきちっと配達し、毎月きちっと集金するということは、読者に対する最低の義務であると同時に、そのことを通じて私たちは読者としっかりと結びついていくことが可能になる、そういう活動として配達・集金活動を位置づける必要があります。

 この配達・集金体制を「支部が主役」で確立するということは、支部が責任を持っている地域、職場、学園で、「赤旗」日刊紙、日曜版の読者を、どこに何人いるのか支部として掌握し、毎日、毎週配達し、毎月確実に集金する活動を通じて、支部が読者とのつながりを強めていく土台になるものです。このことは、地域の要求を取り上げた日常活動に取り組む場合にも、選挙活動など、支部が取り組むあらゆる活動を進める際にも、読者に協力をお願いし、読者とともに活動をする道を開くものです。こうして読者と親しくなり、結びつきを強めることによって、読者にやがては党に入っていただく可能性が生まれます。

 また、支部が、配達・集金の責任を持つことによって、支部が責任を持つ地域、職場、学園で得票目標を実現していくために、さらに、どこにどれだけの読者を増やす必要があるかということも見えてきます。読者が購読をやめた時も「なぜなのか」ということが論議できます。

 このように、支部が配達・集金に責任を持つ体制を確立することは、「赤旗」中心の活動を進め公利になるものであり、「政策と計画」を持った「支部が主役」の活動を進めていくことと深く結びついていると言えます。

 職場支部は、条件によって配達・集金に直接責任を持つことが困難な場合があります。その場合でも読者名簿を持って、絶えず読者と親しくなり結びつきを強める努力をおこなうことは居住支部と同じように、支部活動の大事な中心的な任務です。支部が責任を持つ地域、職場、学園に読者が何人いるのか、どんな人かも知らない、読者と結びつく努力もないという状況では、職場ではあっても、本来の支部活動は成り立たないと言えるのではないでしょうか。

 配達・集金活動は非常に地味なしかもねばり強い忍耐を必要とする活動で、華々しい活動ではありません。けれども、わが党を一番最前線で支えている活動と言えます。第二十四回党大会言六年)に参加したアメリカの代表が、早朝配達の活動に、大会中に参加しました。そして、日本共産党というのは、こんな活動をやっているのかとびっくりもしました。しかも一緒に配達した人が六十代の党員で、この活動を二十何年間やっているということを聞いて、「あのような活動はわれわれにはちょっと真似できない活動だ。しかし、そこに日本共産党が発達した資本主義国のなかで、いろんな攻撃があるなかでも、今日まで頑張ってきている一つの強さを見た思いがする」と、私は直接レセプションの場で感想を聞きました。私たちから見ればごく当たり前のように見える活動ですけれども、外国の党の代表が見たら、とても真似のできる活動でないといって舌を巻く、そういう最先端をいっている活動なのです。

 しかもそれがいまの私たちの党活動を支えているわけです。そういう位置づけをして配達・集金活動をきちっとやる、そのための支部の体制を確立する、そのための指導・援助をしていくことが非常に大事ではないかと思います。
(浜野忠夫著「時代を切り開く党づくり」新日本出版社 p114-125)

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 けれども新聞の役割は、ただ思想をひろめることだけに、政治教育をおこない政治的同盟者を引きつけることだけに、限られるものではない。

新聞は、集団的宣伝者および集団的扇動者であるだけでなく、集団的組織者でもある。

この最後の点では、新聞を建集中の建物のまわりに組まれる足場にたとえることができる。

それは、建物の輪郭をしるし、個々の建築工のあいだの連絡を容易にし、彼らが仕事・の割りふりをおこない、組織的な労働によってなしとげる共同の成果を概観するのを助ける。

新聞に助けられ、また新聞と結びついて、地方的活動だけでなく規則ただしい共同の活動にも従事する恒常的な組織が、おのずから形づくられてくるであろう。

そういう規則ただしい共同の活動は、自己の成員たちに、政治的諸事件を注意ぶかく観察し、それらの意義やいろいろの住民層にたいするそれらの影響を評価し、革命党がこれらの事件に働きかけるための適切な方法をつくりあげる習慣をつけさせる。

新聞にたいする材料の規則ただしい供給と、新聞の規則ただしい配布とを確保するという技術的任務ひとつのためにも、単一の党の地方的受任者たち──たがいに生きいきとした連絡をたもち、全般的な事態に通じており、全国的活動の細分された諸機能を規則ただしく遂行することに慣れており、あれこれの革命的行動を組織することで自分の力をためす協力者たち──の網をつくりださなければならなくなる。

この受任者網は、まさにわれわれに必要な組織の骨組みとなるであろう。

それは、全国を包括するほど十分に大きく、厳密で細部にわたる分業をおこなうほど十分に広範かつ多面的であり、どういう事情のもとでも、どういう「転換」や突発事件にさいしても終始一貫着実に独自の活動をおこなうことのできるほど十分にしっかりしており、一方では、兵力において圧倒的に優勢な敵が全兵力を一地点に集結したときにはこの敵との野戦を避け、他方では、この敵の不敏活さを利用して敵が最も攻撃を予期しない場所と時機をえらんでこれを攻撃することのできるほど、十分に屈伸性のある組織である。

きょうわれわれが当面しているのは、大都市の街頭でデモンストレーションをおこなう学生を支持するという比較的たやすい任務である。

あすは、おそらくもっと困難な任務、たとえば、ある地方での失業者の運動を支持するという任務がもちあがるであろう。

あさってはわれわれは、農民一揆に革命的なやり方で参加するため、自分の部署につかなければならないかもしれない。

きょうは、われわれは、政府のゼムストヴォ征伐によってつくりだされた政治情勢の激化を利用しなければならない。

あすはわれわれは、馬脚をあらわしたあれこれのツァーリのバシバズークにたいする住民の憤激を支持し、ボイコットや、攻撃カンパニアや、示威行動、等々の手段でこれをこらしめるのを助け、バシバズークが公然と退却するほかないようにさせなければならない。

これほどまでの戦闘準備は、常備軍の恒常的な活動にもとづいてはじめてつくりあげることができるのである。

そして、もしわれわれが共同の新聞の運営に力をあわせるなら、そのような活動は、最も有能な宣伝者だけでなく、必要な瞬間に決定的戦闘のスローガンをあたえ、その戦闘を指導する能力のある、最も巧妙な組織者、最も才能のある政治的党指導者をも、養成し押しだしてゆくであろう。
(レーニン「なにからはじめるべきか」レーニン一〇巻選集第1巻 大月書店 p243-244)

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◎「新聞の役割は、ただ思想をひろめることだけに、政治教育をおこない政治的同盟者を引きつけることだけに、限られるものではない……新聞は、集団的宣伝者および集団的扇動者であるだけでなく、集団的組織者でもある」と。