学習通信090511
◎労働学校の生徒は次々と質問をぶつける……

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インドネシア
改革の新時代D

労働学校 社会主義学べるまでに

 午後八時。国内外の企業の工場が集まるジャカルタ近郊タングラン市の住宅街で、約三十五人の労働者が「労働者の状況を哲学的にどう分析するか」というテーマと向き合っていました。

指導者を養成

 インドネシア労働組合連盟会議(KASBI)が主催する「夜間労働学校」。週一回、各労組の幹部候補生が労働法や政治経済のほか、マルクスの「資本論」や「共産党宣言」をもとにした教材で哲学を学んでいます。

 「一九九八年からの民主化で政治的自由が拡大されたが、学校では社会主義を学ぶことがない。そのため学校を開いて労働運動の指導者を養成している」と労働者チャレンジ連盟のアンワルーマールフ議長(KASBI前議長)は言います。

 インドネシアでは六五年、スハルト少将率いる陸軍が最大二百万人を虐殺してインドネシア共産党を弾圧。九八年まで約三十年間続いたスハルト独裁体制のもと民主主義は抑圧され、共産党はじめ公認以外の政党、労働組合も非合法とされていました。

 思想・言論や結社が自由化され、民主化が進展した現在も、共産党を非合法化し共産主義思想の普及を禁止した国民協議会(スハルト政権期の国権最高機関)決議の撤廃にはいたっていません。ただ、「隠れて勉強していたのがオープンにできるようになった」(マールフ議長)といい、書店にはマルクスやレーニンの解説書も並びます。

運命ではない

 労働学校の生徒は次々と質問をぶつけるなど、真剣そのもの。主催側の労組代表のコスウラさんは「みな低賃金、不正義な条件で働いている。自分の周りで起きていることを知りたいと積極的に学校にきています」といいます。

 前期に労働学校を終えたヤニディさん(二七)に感想を聞くと、「今まではすべて与えられたもの、と受け入れていました。食べられるかだけ考えていたのですが、自分の状況は運命ではなく、理由と原因があるんだと気付きました」と話しました。

 戦略国際問題研究所(CSIS)のシララヒ評議員会議長は、国の将来を「楽観的だ」と述べ、こう説明しました。「民主化が進展した。政府は民主運動を考慮しなければならない。多くの民主勢力がいるからインドネシアは改革的な国なのだ」

 スハルト政権を崩壊させた契機は、九七、九八年の通貨危機でした。ユドヨノ大統領は昨年十一月、アジア太平洋経済協力会議(APEC)での講演で「危機が、全部門にわたる大規模な改革の原動力を私たちに与えた」と強調。その結果、国を良い方向へ変え、現在の危機に対処できる経済基盤などの「強さをもった」と述べました。

 APEC諸国の企業経営者を前にしたこの講演でユドヨノ大統領は、貧困削減の重要性を強調し、企業側の協力も呼びかけました。

 シララヒ議長は言います。「いま、インドネシアは国際社会からより多くの信頼を得て、金融サミット(主要二十カ国・地域=G20)のメンバーとなり、国際政治で確実な役割を担っている。さらには(欧米とイスラムの)調停者の役割も担おうとしている。私たちは再び影響力を示そうとしている」
 (ジャカルタ=井上歩)
(「赤旗」20090511)

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◎櫻田忠衛先生から 総合コース紹介
 総合コースは、理不尽な社会を変える力と
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1.世界不況の影響をもろに受けている青年
 金融バブルが破綻してアメリカ発の世界同時不況がおこり、日本経済もその流れに巻き込まれて大変な状況になっています。トヨタやキヤノンなどの日本を代表する大企業が不況を口実に期間工や派遣社員の首切りを真っ先に行い、他の企業もそれに続けとばかりに労働者の解雇を推し進めています。青年労働者の3人に1人が非正規雇用労働者ですから今回の世界不況の影響をもろに受けて苦しめられているのは青年層です。また、正規雇用労働者であっても、青年は低賃金で長時間労働、過密労働を強いられていて、高いノルマが課せられて過労死やメンタルな病気で心身ともにボロボロにされています。

2.過労死、派遣切りは「自己責任」か
 こうした青年に向かって、財界の側にいて政府の労働委員などを任じられてきたザ・アール(派遣会社)社長の奥谷禮子氏は「経営者は過労死するまで働けなんて言いませんからね。過労死を含めて、これは自己管理だと思います。ボクシングの選手と一緒」(「週刊東洋経済」2007年1月13日号)と言い放ちました。血も涙もない冷たい言葉にただただ唖然としてしまうのですが、これこそが日本の財界を代表する発言で、過労死するのも派遣切りにあうのもすべてその人の自己責任で、経営者の責任ではないと言うのです。では100年に1度といわれる未曾有の世界不況に陥れて、経済を混乱させたのは誰なのでしょうか。それも派遣切れされた労働者が悪いと言うのでしょうか。

3.理不尽な社会
 日本の大企業や財界の人たちは、小泉「構造改革」をおし進めて労働者を道具のように使い捨てにしてきました。その犠牲になった多くは青年労働者でした。首を切られ、住む場所を追われ、学校を卒業して希望に満ちていざ働こうという段になって内定取り消しにあう。このように過酷な状況に追い込まれた人に対して、自己責任だからすべてあなたが悪いと決め付ける。こんな理不尽なことが実際に身近でおこっているのです。

4.この理不尽な社会を変えるために仲間と学ぼう
 こんな理不尽な社会は、いますぐにでも変えなければなりませんが、みなさんは社会を変えるなどということは無理だとあきらめてはいませんか。たしかに、一人で考えて何とかしようと思ってもそれは出来ません。私たちはまず仲間を求め、その仲間とともに学習し、討論し、行動することをしなければなりません。

5.科学的社会主義を学ぶ
 何をどのように学習するのか?私たちは、この理不尽な社会を少しでも良い社会に変えることをめざしています。貧富の差のない、まじめに働けば贅沢はできなくても普通の生活が維持できる、学ぶ意欲があれば大学に行くことができる、そしてぎすぎすした競争ではなく、お互いに励ましあって協力して生きられるような社会をつくることをめざしています。そうした社会を実現するためにはどうしたら良いのか、将来、この資本主義社会に代わってどんな経済システムの社会が現われてくるのか、これらのことは科学的社会主義を学ぶことによって明らかにされるのです。

5.労働学校総合コースへ
 以上のことを実現できるのは京都中央労働学校総合コースです。ここにはみなさんと同じような若い仲間がたくさんいます。そして、科学的社会主義の研究では理論的にも実践的にも試されずみの一流の研究者が講師となって熱意あふれる講義を展開しています。是非、京都中央労働学校総合コースに参加してください。
 私たちと一緒に学びましょう。

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──さらに重要なことは、軽工業、重化学工業、IT・ハイテク産業と「発展」してきた資本主義がついに地球環境と絶望的な「対立関係」におちいり、資本主義は環境保全型に質的に転換しなければならない事態に立ちいたっていることである。すなわち、資本主義企業の基底的動機である利潤追求という経済システムが大転換していかなければならないということだ。一九二九年恐慌を契機に資本主義が大きく変貌したのと同様、二〇〇八年世界経済危機を契機に、地球環境を保全する経済システムヘの大転換がせまられるようになっているのである。
(相沢光悦著「恐慌論入門」NHKブックスp126)

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◎「労働学校を終えたヤニディさん(二七)……「今まではすべて与えられたもの、と受け入れていました。食べられるかだけ考えていたのですが、自分の状況は運命ではなく、理由と原因があるんだと気付きました」と。